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主日礼拝 イエスから目を離さないでいなさい」 2019年11月3日

 松下 信 牧師
マタイの福音書15章21~28節
Ⅰ.イエスから目を離さないでいなさい
 お忍びで休養に来られているイエスさまのところにカナン人の女がやってきました。
イエスさまのうわさを耳にしたに違いありません。 彼女は主のもとにひれ伏し、ひたすら懇願
し続けました。 娘が悪霊につかれてひどく苦しんでいたので、追い出して欲しい、と熱心に願
っていたのです。
キリストが父から命じられた使命は 「イスラエルの家の失われた羊を救い出す」 ことでした。
彼らをなおざりにして、異邦人に救いの手を差し伸べることは許されていませんでした。

Ⅱ.あわれみ深いイエスに期待する信仰
 イエス様は無慈悲なお方なのでしょうか。 彼は父なる神のご計画に厳格に従い、一歩もその
道を逸れることはありませんでした。イスラエルを救いに導くことが、イエス様に委ねられた
第一の使命でした。 感情に流されて異邦人を救いに導くことがあれば、すべての神の定めは
無に帰するに違いありません。
 カナン人の女の信仰が光を放つのはこれからです。彼女は道理をわきまえる賢い婦人でした。
イエスさまが清く正しいお方であることを信じています。 しかしそれだけではなく、カナン人
の女はイエス様が憐れみ深いお方であることも信じています。彼が 「子どもたちのパンを取り
上げて、子犬に投げてやるのはよくないことです」(26節) と言ってカナン人の女の懇願を拒
絶すると、彼女は 「そのとおりで」 と答えて主の言葉を受け入れています。 イエス様が義の
お方であり真実のお方であり、決して妥協するお方でないことをよく理解しています。

Ⅲ.拒絶を恵みとし、なおイエスに期待する信仰
 しかしそれで終わりではありませんでした。 「ただ、子犬でも主人の食卓から落ちるパン屑
はいただきます」(27節)と、イエスさまの救いの恵みはイスラエルのみならず異邦人にもも
たらされるものであることを暗示するような発言をしています。
 子どもたちとはイスラエルの民であり、子犬とは異邦人です。 自分たちが汚れた民であり
救いにあづかる資格のないものであることを認めつつ、なお恵みを期待して御前にひれ伏し
礼拝をささげているのです。
 彼女はこの貴重な機会を決して逃しませんでした。 主の足もとにひれ伏した異邦人の女の
信仰、弱さを自覚し主を信頼したカナン人の女の信仰、主にすがりつき離れない母親の信仰。
彼女の一途な信仰がイエス様の心を動かしました。 私たちも神から遠く離れている異邦の民
ですが、このカナン人の女の姿勢から決して失望してはならないことを深く教えられます。
「そのとき、イエスは彼女に答えられた。『女の方、あなたの信仰は立派です。 あなたが願う
通りになるように。』 彼女の娘は、すぐに癒やされた。」(マタイ15:28)

【 結 論 】
 マタイの福音書から3人の信仰を通して学んでまいりました。
百人隊長、長血をわずらっている女、カナン人の女の3人です。 イエスさまは3人の信仰を
称賛しました。「イエスから目を離さないでいなさい」 との年間主題を重んじ、もう一度私た
ちの信仰を吟味してみましょう。
 「信仰の創始者であり完成者であるイエスから、目を離さないでいなさい。
  この方は、ご自分の前に置かれた喜びのために、辱めをものともせずに十字架を
  忍び、神のみ座の右に着座されたのです。」
(ヘブル12:2)
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