「ベツレヘム」 | 2013年12月1日 松下 信 牧師 |
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ミカ書 5:2 | ||
T.ベツレヘム ベツレヘムはイサクの息子であるヤコブの時代には、「エフラテ」 と呼ばれていました。 ヤコブの妻であるラケルは、ここに埋葬されました(創世記35:19)。そして、この 「エフラテ」 は、カナン征服後に 「ユダのベツレヘム」 と呼ばれるようになりました。 この町はルツの義 理の父エリメレクと夫であるボアズの故郷でした (ルツ記1:2,2:4)。ルツとボアズの曾孫に当 るダビデの生まれ故郷でもありました。 ダビデはここで父の羊を飼いながら成長しました。 預言者サムエルに見いだされ、彼から王として油を注がれました (Tサムエル記16:13)。 この出来事があってからは、ベツレヘムは 「ダビデの町」 (ルカ2:4、11) として知られるよう になりました。 U.ダビデの町 「ダビデの町」 とはエルサレムのことでもあります。 ダビデがエブス人の町であり、難攻不落 と言われたシオンの要害を取り、この町をダビデの町としたからです (Uサムエル記5:7)。 しかし、新約聖書によると、「ダビデの町」 とはベツレヘムのことを指しています (ルカ2:4)。 ダビデの時代以後、この町は 「ユダの氏族の中で最も小さい」 町となっていきました。 再び 脚光を浴びるのは、預言者ミカの時代からおよそ700年後のことでした。 ミカの預言 (ミカ書 5:2) は成就し、この町で救い主イエス・キリストが誕生されるのです。 V.ミカによるメシヤ預言 預言者ミカは、南王国ユダの3人の王 (ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ) の時代に活躍しました。 この時代、アッシリヤはアラムの首都ダマスコを陥落させ (B.C.732年)、 北王国イスラエルの 首都サマリヤを陥落させました (B.C.721年)。 さらに、アッシリヤの王セナケリブは南王国ユ ダをも陥落させようと攻撃して来ました (U列王記18:13−19:36)。 このような状況の中にあ って語られているのがミカによる預言です。 アッシリヤによる攻撃と敗北の原因は、ユダとエ ルサレムの罪の結果であると警告しています。 以前の繁栄の中で政治的、倫理的、宗教的に 堕落して、神の御前に罪を犯している南王国ユダの上に、神のさばきが近づいていることを告げ ています。 のちにバビロンによって南王国ユダは滅ぼされますが、その中で一筋の光(救いの 希望) として与えられているのがメシヤ預言です。 暗闇の中で、ユダとエルサレムの人々は どれほど光である救い主 (メシヤ) を待ち望んだことでしょうか。 【 結 論 】 この時代、豊かな物を享受している私たちですが、心の中に平安はありません。不安や恐れや 怒りに満ちています。 ミカの預言が成就したように、神は誠実に約束を果たされるお方です。 ベツレヘムのイエスさまは、あなたと私の救いのために、お生まれになられたお方です。 救い主イエス・キリストのお誕生を心から待ち望みましょう。 「 あなた (ベツレヘム) のうちから、わたしのために、 イスラエルの支配者になる者が出る。」 (ミカ書5:2) |