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主日礼拝(第2アドベント) 「メシヤ誕生」 2012年12月9日

 松下 信 牧師
イザヤ9:6−7
イエス・キリストの誕生から遡っておよそ740年前、アモツの子イザヤは「ひとりのみどりごが、
私たちのために生まれる。 ひとりの男の子が、私たちに与えられる」(6節)と、「メシヤの誕
生」を預言しました。
イザヤは南王国ユダの王であるウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に預言者として活動
しました。 この頃、北王国イスラエルがアッシリヤの攻撃を受け脅威にさらされていましたが、
紀元前721年にはアッシリヤによって滅ぼされました。 その脅威は南王国ユダにまで及び、
人々の心は動揺していました。 イザヤは、このような国家存亡の危機の時代に預言者として活躍
したのです。

イザヤは南王国ユダが主のみことばを守り従うなら、ユダもエルサレムも祝福されると預言しまし
た。 ヒゼキヤ王の時代に、エルサレムはアッシリヤの王セナケリブに包囲されましたが、神は
不思議なみわざによってエルサレムを窮地から救い出しました。
彼が 「エルサレムは陥落しない」 と約束したとおりに、エルサレムとユダはアッシリヤの攻撃
から救い出されたのです。 「メシヤ」はヘブル語のマーシャ(油を注ぐ)という動詞から派生し
た名詞で 「油注がれた者」 という意味です。 旧約聖書では「メシヤ」は「油注がれた者」と訳
されています。 旧約聖書における「メシヤ」の概念は、主として「王」の概念です。
神の国は、メシヤを通してイスラエル及び全地に確立されると考えられていました。 特にイスラ
エルは神に選ばれた国民であり(出エ19:5−6)、その王は神御自身であると考えられていまし
た。 さらに、この神によって油そそがれ、正義と公正をもって全地を治める王が、ダビデ
の家系から出るという約束が、預言者ナタンによってダビデに与えられました(Uサム7:11−
17)。

ダビデに対する神の契約は、旧約聖書の 「メシヤ」 の概念を裏付けるもので、その概念は「王」
としての権威を最優先にしています。 このような考え方を背景にして 「メシヤ誕生」 の預言は
なされました。 国家滅亡の危機に瀕していた南王国ユダは虐げられ、苦しめられる中で、平和と
繁栄と豊かさを享受したダビデ王の再来を期待し、「メシヤ」 を待ち望んだのでした。 まさに
「やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。死の陰の地に住んでいた者の上に光が照った。」
(イザヤ書9:2)と宣言されているとおりです。

【 結 論 】
この時代、全世界は経済的な低迷と不安を抱えています。 また我が国は隣国との軋轢の中で、国
内にも様々な問題や課題を抱えています。 人々は将来の姿が見えず不安の中に置かれています。
最終的に私たちを病や絶望、そして滅びから救い出すことの出来るお方は、王であり救い主である
イエス・キリスト以外には存在しません。 「メシヤ」だけが、罪から私たちを買い取ってくださる
救い主です。 救い主のご降誕を待ち望みましょう。

  「やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。 死の陰の地に住んでいた者の上に
   光が照った。・・・ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、
   私たちに与えられる。」     
(イザヤ書9:2、6)

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