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主日礼拝 「異邦人の光」 2021年7月4日

 松下 信 牧師
使徒の働き 13章44~52節
1.福音を拒絶したユダヤ人
 さて次の安息日には、ほとんど町中の人々が神のことばを聞くために集まって来ました。
パウロの宣教は大変な反響でした。口コミでパウロたちのことが町中に知れ渡り、いち早く会堂
に駆けつけたのは異邦人たちでした。ユダヤ人の会堂が異邦人でいっぱいになり、面白くないの
はユダヤ人たちでした。会堂を異邦人たちに占領されることも面白くありませんでしたが、もっと
面白くないのは自分たちがなおざりにされて、異邦人が救われていくことでした。ユダヤ人の立場
からすれば、異邦人が救われることは到底受け入れられませんでした。結局パウロとバルナバが
語る福音を受け入れず、むしろ彼らに反対せざるを得なくなり、口汚くののしったのです(45節)。
ユダヤ人たちは、どうして救い主イエスを信じることができなかったのでしょうか。
一番の理由は唯一の人格的な神を信じていたことです。ユダヤ人は三位一体の神を信じていません
でした。また人間の形をとった神(主イエス)を受け入れることができませんでした。神は唯一
であり、かつ目に見えないお方であると信じていたからです。目に見える神(主イエス)を受け
入れることは不可能でした。さらに言うならば、彼らの「選民意識」というプライドがイエスさま
を拒絶したのです。

2.異邦人宣教に方向転換した地
 アンティオキア  このアンティオキアにおいてもユダヤ人に優先的に福音が語られました。
しかし彼らは差し出された救いと恵みを拒むことで、自らを永遠のいのちにふさわしくない者と決
めてしまいました。そのような選択をしたのはユダヤ人であり、責任は彼ら自身にありました。
 ユダヤ人が福音を拒否したことを受けて、パウロは決定的な宣言をしました。「私たちはこれか
ら異邦人たちの方に向かいます」と。ここに福音宣教の方向転換がなされました。ユダヤ人に優
先的に福音が伝えられていた時代は終わり、これからは異邦人に向けて積極的に福音が伝えら
れてゆくようになります。初代教会の歴史において、非常に大きな方向転換がこのアンティオキア
においてなされたのです。

3.福音を伝える伝道者たちは「異邦人の光」
 この出来事が契機になって、正式に異邦人宣教が明確に打ち出されてゆきました。イザヤ書
49章6節を引用して、パウロはこのように語ります。「わたしはあなたを異邦人の光とし、地の
果てにまで救いをもたらす者とする」(47節)。大胆に福音を宣べ伝えたパウロとバルナバは、
ユダヤ人たちからの激しい迫害を受け、イコニオンに逃れました。

【 結 論 】
 初代教会の歴史において非常に大きな転機がこのアンティオキアでありました。パウロとバル
ナバはユダヤ人に優先的に福音を語ることを止め、異邦人に積極的に福音を語り始めます。
私たちは異邦人教会として、イエス・キリストにあって福音にあずかっている恵みに、心から感謝
いたしましょう。私たちは一人でも多くの人々が救われるように祈り、福音をあかしする者とさせ
ていただきたいものであります
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