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主日伝道礼拝 「天を見上げて、この地踏みしめ」 2023年9月17日

 廣坂 洋行 伝道師
マタイの福音書6章9節~13節
1. 私たちは天と地を造られた方に祈る
  主の祈りを共に学ぼう。 主の祈りをいのるさい、私たちはこの祈りが天地を創造なさ
った力強い神に祈るものであることに気がつく。 「天の父よ」と私たちはこの神に呼びか
ける。 私たちの祈りを聞いてくださるこのお方は天におられる。その天で私たちの祈りを
聞き、その御名は聖なるお方であり、天からご自身の御国をこの地に来らせたもう。
さらに、そのみこころを天ですでに定めておられる。
 さらに、この天の父への祈りは天に消えてゆくむなしいものではない。天の父はこの地
に生きる私たちを愛し、私たちの祈りを聞き、この地にみこころをなさせたもうお方であ
る。 天の父はこの大地を踏みしめて生きる私たちとは別次元の世界で、私たちと関係な
くぼんやりと過ごしておられるお方ではないのである。 天の父は私たちの「日毎の糧」の
ことにも気にかけてくださっている。肉と欲にまみれた私たちのことをご存じで、それで
も私たちを救い出そうと「罪を赦してくださる」お方である。 そして、私たちの日々の涙
をご存じで、悪から私たちを救い出してくださるお方なのである。

 私たちが祈るお方は、天と地を手中に収めておられるまことの神である。 主イエスさま
は天地の主に祈るいのりを私たちに教えてくださった。 主の祈りは天地を創造された神へ
の美しい祈りである。最初の呼びかけと最後の頌栄(賛美)の間に六つの願いが並べられ
ているが、最初の三つは心を高く上げて目を天に向けて、天の父を「あなた」と呼ぶ祈り
である(邦訳には訳出されていないが原語では天の父を「あなた」とする表現が強調され
ている)。 続く三つは天を見上げながらも、しっかりと大地を踏み締め、「我らの」
「私たちの」と願い祈る、三つの祈りである。

2. 天の父のひとり子を信じる
 まだ祈り方が分からないという方はぜひこの主の祈りをいのりはじめていただきたい。
主イエスが口伝えで教えてくれたこの祈りは、私たちにこの天地を創造されたお方に祈る
いのり方を教えてくれる。 またすでに信仰の歩みを積み重ねてこられた方も、自分の祈り
に窮屈さを覚えておられるかもしれない。 同じ祈りのことばばかり、自分のことばかり祈
る、逆に自分のことを祈れない、人前で祈れない……。主の祈りは天と地に広がる祈りで
あり、私たちの祈りを導く祈りでもあろう。 ゆっくりと主の祈りをいのり、続けて自分の
ことばでその祈りをいのり直してみるのはどうだろうか。

 主イエスが教えてくださった主の祈りは天と地に広がる祈りである。 天の父なる神とこ
の地で祈る私たちを一つにする祈りでもある。 主イエス・キリストの父なる神は主の祈り
でいのるとおりに、みこころを天でなるごとく、この地にもなさしめたもう。

 天の父なる神はご自身の愛するひとり子をこの地にお遣わしなさったのである。 高き遠
い天から、それでも罪深き小さきこの者たちを深く愛して、私たちを見放すことなく、
ご自身そのものとも言える御子イエス・キリストを天から地へとくだらせた。 このお方
から私たちは祈りを学び、このお方から救いを得る。
 そして、このお方は天に昇っていかれた。多くの弟子たちが見ているところで。 私たち
は祈りで天の父を引きずりおろすのではない。 地に足をつけつつ、心を高くあげ、天を見
上げるのである。 私たちのいのちは見えるところによらない。
 天地をつくられた主にいのちと救いがある。このお方に大胆に祈ろう。

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