「キリストに根ざす信仰」 | 2013年7月7日 松下 信 牧師 |
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コロサイ人への手紙2:6,7 | ||
1.序論(コロサイ教会の誕生) コロサイという町は、小アジアの中央西部を占めていたフルギヤのリュコス峡谷にありました。 この町にどのようにして教会が誕生したのかは、わかりません。 おそらくコロサイの伝道は、 コロサイ出身のエパフラスの手によってなされたのではないかと考えられています(1:7)。 2.教会を惑わす教え 紀元60年頃のことでした。 エパフラスは、おそらくローマで捕われの身になっていたパウロを 訪問し、コロサイのキリスト者たちの成長ぶりを知らせました。 またこれと共にコロサイの教 会が抱えている問題も知らせました。 様々な問題を抱えていたようですが、一番大きな問題 はグノーシス的な異端の問題でした。 グノーシス的な考えによると、「キリストは天界の至高者なる神と同一ではなく、人間をす くうために天界から遣わされたに過ぎない」のです。 しかし、パウロは御子による万物の創 造を強調し(1:15−17)、神と御子は同一である、一つであると明らかにしています。 「御子は、見えない神のかたちであり」(1:15)と言われています。 また、「神はみこころに よって、万物を、ご自分と和解させてくださった」(1:19−20)とも言っています。 つまり、 神と本質的に同じ方が人間の姿をとって現れ、十字架上で血を流すことによって、神との和解 を実現されたとパウロは主張しています。 イエス・キリストは神であり、神そのものであられま す。 キリストが神であるからこそ私たちは救われているのです(1:28)。 3.グノーシス=人間的知恵としての教え このグノーシス的異端は、ヘレニズム・キリスト教の世界に生じた異端であります。 アジアの 神秘主義とギリシャの哲学とキリスト教が混じり合ったもので、哲学的な知識によってキリスト の福音の真理を表現しようとするものでありました。 その本質はあくまで人間の知恵であり、 パウロは「それは人の言い伝えによるもの、この世の幼稚な教えによるものであって、キ リストによるものではありません。」(2:8)と言い切っています。 4.キリストに根を張り、キリストに信頼する者の祝福 あなたはキリストの中に根ざした信仰生活をされていますか。 パウロはグノーシス的異端をは じめ様々な偽りの教えに惑わされないために、キリストのうちにしっかりととどまるように命じて います。 「あなたがたは、このように主キリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩み なさい。キリストの中に根ざし、また建てられ、また教えられたとおり信仰を堅くし、あふ れるばかり感謝しなさい。」(2:6,7) 【 結 論 】 自分の知恵、自分の力で歩んでいる者は、やがてつまずき倒れます。 しかし、キリストに信頼 している者は、やがて豊かな実を結びます。 「人がわたしにとどまり、わたしも人の中にとどまっているなら、 そういう人は多くの実を結びます。」(ヨハネ15:5) |