主日礼拝 | 「逃れる父と王権を握る息子」 | 2015年10月11日 松下 信 牧師 |
サムエル記 Ⅱ16章:1節~23節 | ||
Ⅰ.主のさばきを受容するダビデ王 エルサレムからオリーブ山を越えヨルダン川の渡しに向かう途上、ツィバがダビデ王を迎えに来て いました。 彼はメフィボシェテというサウルの孫のしもべであります。 ダビデに土地の産物とぶどう 酒一袋を贈ることで、彼の好意を受けようとします。 ツィバは主人 (メフィボシェテ) をそしり、彼が ダビデ王に対して反逆心を持っていると偽りました。 こうして悪賢く主人を裏切ったツィバはダビデ からの好意を受けて、主人の財産すべてをダビデ王から与えられます。 ダビデは軽率にもツィバ の言葉を信じ、彼を祝福するのです。 シムイというサウル家の一族のひとりもダビデを待ち伏せていました。 シムイは深い、狭い谷を隔 てて、彼に石を投げちりをかけました。 また激しく彼を呪いました(7‐8節)。 ダビデは 「自分の息 子すら背いたのだから、ベニヤミン人がそうするのも仕方がない」 と、その受難を自分に対するさ ばきの一部分であるとして受け入れました。 このような非常時にダビデが示した反応は、彼が息 子 (アブシャロム) による反乱の結果を主の御手に委ねているということです。 Ⅱ.アヒトフェルの助言に従い、 道を誤るアブシャロム アブシャロムといえば、彼はエルサレムにアヒトフェルと共に入城します。アヒトフェルは彼にとって ブレイン (頭脳) としてなくてはならない存在でした。 そこに現れたのがアヒトフェルの策略を打ち 砕くために遣わされたフシャイです。 彼は怪しまれながらも、巧みな言葉でアブシャロムにうまく取 り入りました(16-20節)。 この時のアヒトフェルの意見は絶対でした。「神のことば」のようであっ たからであります(23節)。 エルサレムでアヒトフェルが最初に進言したのは、父のそばめたちを 奪い取ることでした。 このことはアブシャロムの主権を示す明白な行為であり、ダビデ王に対する 最大の侮辱となりました。 しかし、アブシャロムはこのことによって、主の御前に大きな罪を犯しま す。 アムノンが妹であるタマルを犯したように(Ⅱサム13章14節)、アブシャロムも神に呪われる 大きな罪を犯してしまいました。 それは彼が神に選ばれていないことを証明することにもなりまし た。 【 結 論 】 ダビデは逆境にあっても、決して主への信頼を失いませんでした。 自分が犯した罪を自覚していま す。 それ故に、絶対的な信頼をもって主のさばきに身を委ねています。 他方のアブシャロムは人 生の頂点に立っています。 彼は自らの手で民の前に王位を確保しました。 しかし、王権を握りしめたと思ったときに、彼は王位を永遠に失ってしまいます。 主の御前に高ぶ り、従順に従う心を失うのです。 彼は 「民の声」 は聞きましたが、「神の声」 に耳を傾けようとせ ず、その結果滅びへと向かって行きました。 あなたは今「神の細き御声」に耳を傾けていますか。 人のことばでなく、神のみことばを優先すべきです。 「順境の日には喜び、逆境の日には反省せよ。これもあれも神のなさること。 それは後の事を人にわからせないためである。」 (伝道者の書7章14節) |