主日礼拝 |
「イエスの誕生にかかわる女性たち②」 | 2016年12月11日 松下 信 牧師 |
マタイの福音書 1章1節~17節 | ||
Ⅰ.イエス・キリストの系図にある汚点 系図に女性が登場することは非常に珍しいことです。 しかしイエス・キリストの系図には5人の女性 が登場しています。 救い主の系図ならば、傷も汚れもない聖なるものに違いないと考えるのが当然 でしょうが、現実はまったく違うものでした。 タマルは舅(しゅうと)と不倫(姦淫)の罪を犯した女であり、ラハブは遊女でした。 ルツはモアブ人の 女であり、ウリヤの妻はダビデ王と不倫の罪を犯した女です。 そして、キリストの母であるマリヤも 不貞によって身ごもったという誹謗・中傷を受けた女であります。 Ⅱ.「姦淫の罪」と5人の女性 5人の女性に共通する問題は「姦淫の罪」であるとわかります。 キリストの母マリヤは姦淫の罪を犯 していません。 疑惑をもたれたということであり、ほかの4人の女性たちとは立場が異なります。 マルタとウリヤの妻は姦淫の罪を犯した女性です。 マルタは舅のユダとの間にパレスとザラ(ゼラフ)の双子を産み、このパレスがキリストの先祖になる のです。 またウリヤの妻は、ダビデ王の後継者であるソロモン王を産みます。 ラハブは当時の職業 であるとはいえ遊女であり、姦淫の罪を犯しているとして神に忌み嫌われました。 このラハブと夫の サルモンの間にボアズが生まれ、彼がルツの夫となります。 このルツは「姦淫の罪」とどう関わるの でしょうか。 彼女はモアブ人の女であったことです。モアブの娘たちはかつてイスラエル人を不道徳 と偶像礼拝に陥れたからです (民数記25:1-3)。 神さまはイスラエルがモアブ人と交流することを禁じ、ルツはイスラエルを姦淫の罪に陥れたモアブ 人そのものでした。 真の神を信じる信仰によって、ルツは祝福され、ボアズと結婚してオベデを産み ます。 このオベデの息子であるエッサイからダビデ王が生まれました。 キリストはこのダビデ王の子 と呼ばれています。 【結論】 人間にとって結婚は祝福です。神さまにも人々に喜ばれるものであるなら、生まれてくる新しいいの ちも祝福されます。 しかし姦淫の中では、本来祝福されるべき新しいいのちの誕生であっても、様々 な不協和音を生じます。 生まれてきたいのちは、平安で幸いな居場所を失い、混乱と争いの世界に 巻き込まれます。 イエス・キリストの系図がまさに罪深い人間としての姿を指示しています。 それは、ユダヤ人が、そし てキリスト者(教会)が高ぶることなく、神の御前に自分自身が「罪ある存在」であることを認め 謙遜に歩むためにほかなりません。 神のご介入は、新しい喜びと希望をもたらします。 神さまは そこに聖霊を介入させることで、キリストが神の御子であることをあかししています。 聖霊によって身ごもったマリヤは、聖なる神の御子を産むことで新しい希望を生み出しました。 神によってもたらされる聖さと義と永遠のいのちへの招きです。 罪人である私たちは、神であり、救い主であられるイエス・キリストを信じることによって、聖霊さま によって生み出さるのです(ヨハネ6:47)。ここに信仰による祝福があります。 |