主日礼拝 |
「見よ、主のみわざを」 | 2018年8月5日 松下 信 牧師 |
詩編 46編8節~11節 | ||
Ⅰ.核廃絶に消極的な我が国 唯一の被爆国である日本は、被爆者の証言などを通して原水爆の禁止を訴えています。 昨年7月7日122か国・地域の賛成多数により、核兵器禁止条約が採択されました。 しかし日本 はアメリカの核の傘下にあるため、この条約に参加しませんでした。 Ⅱ.核兵器の恐ろしさ 今朝は「世界から核兵器がなくならない理由」について考えます。 ひとことで核兵器と言っても 原子爆弾と水素爆弾の二種類があります。広島と長崎に投下されたのは、いずれも原子爆弾です。 広島に投下された原子爆弾は(通称:リトルボーイ/全長約3m、重さ約4t)ウランという放射 性物質が使われています。 ウランは天然に存在し、採掘されたウラン鉱石から原爆に使えるウラン を濃縮して使用します。 また、長崎に投下された原子爆弾(通称:ファットマン/全長約3,25m、 重さ約4,5t)はプルトニウムという放射性物質が使われています。ウランと違い、天然にほとん ど存在しない人工的に作られた物質です。 どのようにして爆発は起るのでしょうか。ウランとプルト ニウムの原子核に中性子が衝突し、これが吸収されることで原子核が分裂します。 これを「核分裂」 といいます。 このとき中性子が放出され、これが次の原子核に吸収されて核分裂を起こし、また次 へと連鎖的に核分裂が起ります。 原爆が爆発したら恐ろしいことが起こります。 「熱線、爆風、 放射線」です。 爆発の瞬間に強烈な放射線と熱線(3000℃~4000℃)が発生し、周囲の空気が膨 張してすさまじい爆風が起きます。 さらに「死の灰」と呼ばれる放射性物質も降ります。 Ⅲ.悲劇の始まり ドイツ人科学者オットー・ハーン博士は1938年にウランの原子核が分裂して、そのときに莫大 なエネルギーが生まれることを発見しました。 これが人類を滅亡へと導く出発点になりました。 しかも1933年からヒトラーが政権を握り、独裁政治が始まり、時代は戦争に向かっていました。 いち早く核兵器の開発に動き出したのが、ヒトラーの迫害を逃れてアメリカに亡命していたユダヤ 系科学者たちでした。 アメリカはドイツに対抗して核兵器の開発を始めました(1942年)。 これが有名な「マンハッタン計画」です。 核兵器の完成を見た時、すでにドイツは降伏していま した。 完成した核兵器の威力を試すために、どうしてもそれを投下する対象が必要でした。 そこで 選ばれたのが敵国の広島と長崎でした。 今、およそ14,000発の核兵器が地球上に存在してい ます。どうして数が減らないのでしょうか。それは核を保有することが、抑止力になっているからで す。 核兵器を使えば、自国も攻撃され、大きなダメージとなります。 だから核兵器は使わない。 保有することで、敵国も安易に攻撃できない。 このような核による抑止力の原理が働くので、核兵 器は増えることがあっても、減らすのは至難の業なのです。 【 結 論 】 人間とは何と愚かで、罪深い存在でしょうか。 信じて祈りましょう。 主ご自身に期待して。 「来て、主のみわざを見よ。・・・・主は地の果てまでも戦いをやめさせ、弓をへし折り、槍を断ち 切り、戦車を火で焼かれた。 『やめよ。 私こそ神であることを知れ。 わたしは国々の間であがめ られ、地の上であがめられる。』 ・・・・・・」 (詩篇46:8-11) |