主日礼拝 | 「捕らえられたステパノ」 | 2019年5月5日 松下 信 牧師 |
使徒の働き 6章1節-8節 | ||
初代教会において、ギリシヤ語を使うユダヤ人のうちのやもめたちが、毎日の給食の 配給でなおざりにされていました。 12弟子を助けるために、兄弟たちの中から食卓に 仕える奉仕者として7人が選ばれました。 この中の一人がステパノであります。 また彼は初代教会における最初の殉教者となった人物でもあります。 Ⅰ.神からの賜物を用いて ステパノは「信仰と聖霊に満ち」(5節)、「恵みと力に満ち」(8節)た人として紹介さ れています。彼は自らに与えられた使命を生来の性格や努力によってではなく、神から 与えられた賜物を用いることで果たしました。彼は神のわざを日常生活の中で行ってい ました(8節)。イエスさまが病人をいやし悪霊を追い出されたように、彼も不思議な わざとしるしを行っていたのです。 彼はヘレニスト(ギリシヤ化したユダヤ人)であり、 ギリシヤ語を使うユダヤ人の一人であり、その働きはディアスポラ(離散の民=「散ら されている者」の意)のユダヤ人を対象に行われていました。 Ⅱ.キリストの福音は神殿と律法からの解放をもたらす そんな中、リベルテン(解放された奴隷)と呼ばれる会堂に属する人々がステパノと 議論しましたが、人々の間には彼に対する反発が生じました。 ステパノは神殿と律法に 関する新しい理解を福音の立場から示しました。 それはユダヤ人の信仰の本質に関わる ものであり、ユダヤ人にとって、彼の宣教は決して受け入れられるものではありません でした。 ステパノは次のように福音の本質を語りました。「キリストの救いに与かる者は、も はや神殿でいけにえをささげる必要はない。また信仰による救いを受け入れた者は、律 法の束縛から解放されて、真の自由を享受することができる。」ステパノは、ユダヤ人 たちが神殿と律法の束縛から解放され、キリストを信じることができるようにと願って います。しかもステパノが知恵と御霊によって語っていたので、ユダヤ人たちは彼の証 言に対抗できませんでした。 Ⅲ.迫害を喜んで引き受けるステパノ こでユダヤ人たちは、ある人たちをそそのかしてステパノがモーセと神を冒瀆したと いう偽りの証言をさせました(13,14節)。 また民衆と長老たちと律法学者たちを扇動 し、ステパノを襲って捕らえ、最高法院に引いて行きました(12節)。 【 結 論 】 神からの恵みとして与えられた信仰、聖霊、恵み、力などに満たされて、ステパノは 福音宣教の使命を十分に果たすことができました。 どれだけの人が国家の最高機関に おいて、福音をあかしする機会が与えられていることでしょうか。 それは選ばれた人々 だけが持つ特権です。 私たちが迫害を受けるとき、私たちはそれを喜ぶべきではない でしょうか。 12使徒たちも御名のゆえに辱められるに値するものとされたことを喜びました(使 徒5:41)。 キリスト者は地上の祝福よりも天上の祝福にあずかることに、より熱心で あるべきです。 主が十字架を忍ばれたように、ステパノが誠実に福音をあかししたよう に、私たちキリスト者も、正しさ、きよさ、信仰、希望、愛に、命がけで生きる者とな らせていただきたいものです。 |