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宣教60周年
記念特別号
「感謝と賛美を主に」 2020年6月28日

 松下 信 牧師
詩篇103篇1~5
1. 序論
 本日は宣教60周年記念礼拝です。この礼拝において、60年間の当教会の歩みを振り
返り、今日に至るまでこの群れを守り導いてくださった主の御名を崇め、感謝と賛美を
主におささげしたいと願っております。 まず、福音宣教の働きをとおして与えられた祝福
についてお話させていただきます。当教会において、この60年間に119名の方々が
救いに導かれ、救われました。心から感謝致します。 私たちは諸集会を通して聖書を読み、
学び、祈り、交わりを通して、キリスト者として信仰の成長をさせていただき、今の私
(あるいは今のあなた)にならせていただきました。諸活動の様子やその内容を一つひとつ
取り上げてお話させていただきたいのは山々ですが、何分時間に制限がありすべての事柄
を取り扱うことができません。お許しいただきたいと願っております。

2.開拓伝道時代(1960年~1966年)
 1960年頃、レスリー・サップスフォード宣教師によって、金沢区六浦で開拓伝道が始
められました。小泉又二郎(元逓信大臣、小泉純一郎元首相のお祖父様)の生家をお借りし
て集会が持たれました。開拓期の教会は六浦聖書教会と呼ばれていました。白梅幼稚園の
施設をお借りして礼拝がささげられていた時期もありました。最初に救いに導かれた方は
岡田義雄さんでした。お豆腐作りを商いにしておられる方でありました。手塚耕右兄弟は
主イエス・キリストを信じ、1964年1月5日に葉山の海岸でサップスフォード先生から
洗礼を受けられました。主への信仰に生きた兄弟であり、当教会で一番の古株でもありまし
た。上野町教会(現横浜上野町教会)の教会員であった最上修子姉妹と1967年4月29
日に岡村又男牧師の司式によって結婚されました。結婚式のために、ご自分で下足箱を作り、
追浜のご自宅から自転車に乗って下足箱を肩に担いで教会まで運ばれたそうです。
一階にある古い下足箱は手塚兄弟手作りの味わい深いそれであります。旧教会堂で結婚式を
あげられたのは、この手塚さんご夫妻だけでありました。ご夫妻はお二人ともすでに召され、
主の御許で安んじておられます。純粋な信仰を持ち続け、主のために忠実にご奉仕された
ご夫妻でありました。

3.旧会堂時代(1966年~1994年)
  1966年に現在のこの場所を購入し、教会堂を建てました。 日本同盟基督教団から
36万円を借り入れて50坪の土地を購入しました。東京オリンピックの選手村で不要に
なった古材を再利用して教会堂が建てられました。平屋建ての教会堂は山の上に建てられ
ました。当時は周囲に民家は一つも無く、屋根の上の十字架もよく目立っていたそうです。
28年間、この釜利谷の地にしっかりと立ち続け、十字架を高く掲げる福音宣教の拠点と
してその重要な役割を果たしてまいりました。1994年2月には、三階建ての現教会堂に
建て替えられ、同年5月には教育館も建てられました。

4.新会堂(教育館)時代 (1994年~2010年)
 1984年2月26日に会堂建設委員会が設立されました。1986年9月28日に臨
時教会総会が開催され、新しい地に出て行くことを議決しました。献金累計100万22円
教会員数は33名でした。40箇所以上の土地を捜し求めましたが、主のみこころにかなう
教会堂建設用地は見つからず、1993年7月、現在地に教会堂を建てることとなり臨時
教会総会で議決されました。8月には教育館・牧師館の用地を購入することとなり、臨時
教会総会で議決し、すぐに購入契約を結びました。 こうして1994年2月に教会堂が完
成し(現在地50坪に建設)、1994年5月に教育館・牧師館が完成しました(購入した
土地58坪に建設)。同年6月26日に120名以上の方々がこのチャペルに集い、献堂式
を執り行いました。晴れ晴れとした快いひと時でありました。兄弟姉妹の主への感謝と賛美
が満ち溢れる大きな喜びのときでありました。
あのときの感動を今も忘れることができません。

5.この10年間の歩み(2010年~2020年)
 2010年6月20日には宣教50周年記念礼拝をおささげいたしました。午後には
レセプションも行い、教会が一つになって50年間の恵みを喜び感謝することができました。
教会堂に50年の歩みを垣間見ることができる写真が展示され、また記念誌『雲の中の虹』
が発行されました。山本正實代表をはじめ記念誌発行グループの委員の皆様のお働きに心か
ら感謝致します。特に山本正實兄弟は非常に熱心に精魂込めて、記念誌の作成に取り組んで
おられました。良く編集されていて内容のある素晴らしい記念誌を作成していただきました。
山本正實兄弟は2017年6月21日に天に召されました。2011年3月の教会総会に
おいて、「ビジョン2020」が役員会によって提案され、議決されました。
「教会宣言」を作成し、「会計制度」を見直し、「教会規則・規定」を整え、新しい会堂の
建設を目指して会堂建設委員会の設置などが、教会総会において議決されました。
2012年には「横浜白山道教会 教会宣言・規定・規則」を制定しました。
さらに、2015年3月には牧師招聘委員会を発足し、これによって後任牧師を招聘する
働きが現実化し、廣坂洋行教会スタッフの招聘(2020年4月)へと繋がって行くのであ
ります。2015年5月29日には、H・Y様が所有されておられた土地(釜利谷東七丁目)
を購入致しました。M・T姉妹のご紹介によるものでした。平地にあり、長方形の116坪
の広さがある良い土地でありました。また目の前にバス停があり、京急金沢文庫駅にも近く
て便の良い場所にありました。
 土地を購入するかどうかの決断を教会が一致して行えるようにと、情報提供を徹底し、
説明会を開催し、丁寧な説明を繰り返して、教会員すべてに内容を十分に理解していただ
こうと努力致しました。しかし、臨時教会総会(2014年11月16日)では、足並みが
揃わず、全会一致で土地の購入を議決できなかったことは、私の不徳の致すところであり
ます。申し訳ございませんでした。築50年の古い家屋が建っていましたが、土地の購入後、
すぐに内部のリフォームに取り掛かり、2015年9月にはシオン館(古い家屋はリフォー
ムしてシオン館と呼ばれる教会施設になりました)の献堂式を執り行いました。
シオン館においては、光の子会、シオンカフェ、早天祈祷会、祈祷会などの集会が催されて
きました。この土地が有効に用いられているのを見るとき、購入して良かったと心から感謝
しています。あと5年間、銀行からの借り入れはありますが、みんなで力を合わせて借金を
返済し、新会堂の建設に取り掛かりたいものであります。

6.当教会に仕えた教師たち
 60年間、当教会に仕えた教師たちをご紹介させていただきます。アメリカ人宣教師
レスリー・サップスフォード先生の働きを共に支えていただいた池田勇健先生や坂井栄一
神学生に感謝致します。日本人最初の教師は岡本正之伝道師です。着任されて2、3ヵ月
後にご病気になられ、辞任されました。その後、横須賀緒明山教会(現横須賀中央教会)
の岡村又男先生が兼牧。その後、古川守先生や山田国昭先生が当教会の牧師として赴任さ
れました。同じ時期に衣笠中央キリスト教会や馬堀聖書教会を開拓されたジョン・リード
宣教師も説教され、聖餐式を執行して牧会を助けて下さいました。白百合福音教会や
上大岡聖書教会を開拓されたロバート・シェード宣教師にも大変お世話になりました。
1975年に鈴木邦俊先生が教師として赴任され、1982年には松下が赴任致しました。
2006年4月には下山田耕一先生が副牧師として奉仕されました(2009年3月まで)。
また佐藤賢祐先生が伝道師として(2009年4月~2011年3月)、K・K先生が伝道
師として奉仕されました(2012年4月~2013年8月)。
そして今年4月には、廣坂洋行先生が教会スタッフとして赴任されました。 当教会は教会
員も少なく、経済的にも困難な時代が続きました。教師の生活を支えられなくて、教会員も
教師も貧しさの中で非常に苦労をされたようです。ある牧師は教会員と一緒にお昼を食べる
ときにお弁当のふたを開けました。そこには、おかずは一つも入っていませんでした。
ご飯の真中に梅干が一つだけ入っていたそうです。先生はそのお弁当を感謝して美味しそう
に召し上がっておられたそうです。鈴木邦俊先生の時代には教団からの援助をお断りし経済
的自立を成し遂げました。貧しい教会にとって援助を受けないと決心することは大きな勇気
が必要だったことでしょう。しかし、この「自立する」への決断が、結果として教会の祝福
と成長をもたらすことになりました。どんなに苦しくても、闘いが激しくても、人間に依存
してはなりません。教団からの援助をお断りすることによって、教会は人間に頼らず、神様
だけに信頼してゆく道を選び取ったのであります。勇気ある決断でありました。

7.幼稚舎光の園と放課後児童クラブ光の園の働き
 2003年4月1日から2017年3月31日の14年間、幼稚舎光の園を教会付属の認
可外幼稚園として運営してまいりました。14年間に82名の園児を卒園生として送り出す
ことができました。多くの方々が職員として労してくださいました。また多くの教会員が祈
り支えてくださいました。教会員の皆様には心から感謝し、御礼申しあげます。
鈴木邦俊・七絵先生ご夫妻は保育園「ひかりの園」を運営されていました。一度途絶えてし
まった幼児教育の働きではありましたが、幼稚舎「光の園」として新しい形で幼児教育が
始められたことは、主のみこころでした。エペソ人への手紙5章8、9節「あなたがたは、
以前は暗やみでしたが、今は主にあって光となりました。光の子どもらしく歩みなさい。
―光の結ぶ実は、あらゆる善意と正義と真実なのです。―」(新改訳第3版)のみことばを
教育理念とした「光の園」の一番の特徴は、毎日礼拝をおささげすることでした。
イエスさまを信じ、イエスさまに従う生活をすることを目指しました。園児は光の子どもと
して立派に成長されました。心から感謝し、主の御名を崇めます。まったく異なる組織では
ありますが、子どもの救いを願い求める動機は、放課後児童クラブ光の園(小学生の保育
活動)の働きとして受け継がれ、地域の方々の運営委員会で運営する組織として2015年
4月に開所しました。K.R姉妹とK・M姉妹をはじめ、多くの方々のご協力の中で6年目
を迎えました。 良い働きがなされていることを感謝致します。

8.教会の目標「互いに愛し合う教会」
 38年前に初めて横浜白山道教会を訪問させていただいた時、教会堂の後ろの壁に横書き
で「互いに愛し合いなさい」というヨハネの福音書13章34節のみことばが掲げられてい
ました。このみことばに目が留まり、その時から、このみことばは私の心に深く刻まれまし
た。私たち人間が生きていくうえで最も大切な教えであると確信しました。しかも互いに愛
し合うことができるのは自分の力ではなく、神の一方的な恵みによるものであることを知れ
ば知るほど、私たちが目標とするあり方は、これ以外にないと確信している次第です。
 「わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。
 わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」
                          (ヨハネ13:34)

【 結 論 】
 私たちの群れの歩みは決して順風満帆ではなく、試練と失敗と苦しみの多い歩みでありま
した。教会閉鎖寸前の憂き目にも会いました。しかしそのような中にあっても主が私たちを
見捨てず、守り続けていただきました。
 そして、これからも・・・。 主に信頼し、感謝と賛美を御前におささげいたしましょう。

詩篇103篇15節をお読みして終わります。

 「わがたましいよ 主をほめたたえよ。 私のうちにあるすべてのものよ
  聖なる御名をほめたたえよ。
  わがたましいよ 主をほめたたえよ。主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな。
  主は あなたのすべての咎を赦し あなたのすべての病を癒やし 
  あなたのいのちを穴から贖われる。
  主は あなたに恵みとあわれみの冠をかぶらせ 
  あなたの一生を 良いもので満ち足らせる。 
  あなたの若さは 鷲のように新しくなる。」 

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