主日礼拝 | 「キプロスにおける宣教」 | 2021年3月7日 松下 信 牧師 |
使徒の働き13章4-12節 | ||
使徒の働き13章1節から14章28節までが、紀元47,8年頃のおよそ2年間にわたる「パウロ の第1回伝道旅行」についての記述です。 Ⅰ.聖霊によって送り出されたバルナバとサウロ バルナバとサウロはアンティオキア教会から送り出されました。見落としてはならない大切なこ とは「聖霊によって送り出された」(13:4)という事実です。聖霊の導きの中で、教会が福音宣教 の働きに従事しているのです。二人は海路キプロ ス島(地中海の東端にある大きな島)に向かい ました。 かつてステパノのことから起こった迫害によってエルサレムから散された人々の中には、 この島にまで逃れた人々がいました。 キプロスの教会は最初の迫害から逃れてこの島にまでやって来た逃亡者たちによって、増え広がっ たのです(11: 19,20 参照)。 バルナバもまたこの島の出身でありました。 彼はエルサレムにおける最初の迫害から逃れ、キプロスに移り住んだ信者たちの子どもでありま した(4:36)。 Ⅱ.魔術師の妨害の中でなされた聖霊のみわざ バルナバとパウロは島の東海岸にあるサラミスに到着し島全体を旅したあと、島の南西の海岸 にあるパポスという港町にやってきました。 パポスはこの島の首都であり、島で一番大きな都市 でした。 ローマ帝国はここに行政府を置き、地方総督を駐在させました。セルギウス・パウルス という地方総督は賢明な人であったと、ルカは彼を高く評価しています。 その名前からして、 彼は古いローマの元老の家系の出身であったようです。 彼はバルナバとサウロから神のことばを 聞きたいと願い、彼らを招きました。 ところがこの地方総督に付き添っていたある魔術師が、彼を信仰から遠ざけようとしてバルナバ とサウロの働きを妨害しました(13:6-8)。この魔術師がバルナバとサウロの伝道を妨害した ことから、パウロは聖霊に満たされ、彼をにらみつけて厳しく糾弾しています(13:10-11)。 するとたちまち、かすみと闇が彼をおおいました。目が見えなくなって一人で自由に歩くことさえ できなくなった魔術師は手を引いてくれる人を探し回りま した。 この出来事の一部始終を見てい た地方総督セルギウス・パウルスはとても驚き、イエス・キリストを信じました。彼がどのよう な信仰を持ったかについては、聖書は何も語っておりませんが、彼が信仰に導かれたことはまぎれ もない事実でありました (13:12)。 Ⅲ.聖霊による導きの中でなされたキプロス宣教 この箇所から学ぶことができるのは、私たちが福音を宣べ伝えようとするとき、イエス・キリス トに敵対する者が現れて、宣教の働きを妨害するという事実であります。様々な敵が立ちはだかる ことでしょうが、しかし一番の敵はキリスト者自身の心の中に住む敵ではないでしょうか。 不信仰こそが宣教の働きを妨げるサタンとなり得るのです。福音宣教の働きは人間の知恵と力 によるものではなく、神の知恵と力によります。 バルナバと サウロのキプロス伝道は聖霊による働きであり、聖霊に満たされて初めてなされるも のであることを、しっかりと心に留めておきたいものでありま す。 【 結 論 】 キプロスにおける伝道活動の中で、彼らを遣わし、彼らを聖霊に満たして豊かに用い、地方総督 セルギウス・パウルスを信仰に導かれた主の御名 を高らかに賛美いたしましょう。 |