主日礼拝 | 「優先すべきもの」 | 2021年11月7日 松下 信 牧師 |
使徒の働き 15章 1~21節 | ||
Ⅰ.エルサレム会議が開かれた理由 ユダヤからアンティオキアに下って来た兄弟たちは、異邦人キリスト者に対して「モーセの 慣習にしたがって割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」(1節)と主張していまし た。 アンティオキア教会の指導者であるパウロとバルナバは、ユダヤから下って来て異なっ た教理を教えているユダヤ主義者たちに立ち向かい、激しく対立しました。 パウロとバルナ バは、この問題を解決するためにエルサレムに上りました。 エルサレム教会の指導者であ ったヤコブとエルサレムにいる使徒たち、長老たちは会議を開催し、パウロとバルナバを迎 えて話し合いました。 ある人々は「異邦人も割礼を受け、モーセの律法を守らなければ救われない」と主張しま した。 これに対してパウロとバルナバは「異邦人はモーセの律法を守らなくてもいい。 割礼 を受ける必要もない。 異邦人はただ信仰によって義とされるのだから・・・・。 彼らはイエス・キリストを救い主と信じるだけで救われる」と反論していたのです。 両者の対立を解決するために、エルサレム会議が持たれました。 Ⅱ.優先すべきものは何か 互いに相手の話しを良く聞き、理解したうえで、教会は何を優先すべきかを選択してゆか なければなりません。 シモン・ペテロは立ち上がって「神様は異邦人の心を信仰によってき よめてくださった。 そうであるなら、なぜ今ユダヤ主義者たちは、ユダヤ人の先祖たちもユ ダヤ人たちも負いきれなかったくびきを、あの異邦人キリスト者たちの首に掛けて、神を試 みるのか」と主張し、異邦人キリスト者に割礼を受けさせることに反対しました。 Ⅲ.旧約の預言は教会によって成就された ペテロおよびパウロとバルナバが話し終えると、最後にエルサレム教会の指導者である ヤコブ(主イエスの兄弟)が立って発言しました。彼にはこの論争をまとめ、会議を成功させ る責任がありました。 彼の発言は会議の総括とも言える重要なものでした。 ヤコブはペテロ の発言を全面的に支持しました。 旧約時代の預言者アモスによるダビデの仮庵(神殿)が 建て直されることと、異邦人が神の名で呼ばれるという預言(アモス書9:11‐12)は、新 しいイスラエル(教会)によって成就されたと、ヤコブは証言しました。その上で、彼は「異邦 人の間で神に立ち返る者たちを悩ませては(誰もが負いきれなかったくびきを負わせるとい うこと)いけません」(19節)と結論づけています。 【 結 論 】 エルサレム会議は、「イエスを救い主と信じる信仰によって、人は救われるのだから、異邦 人はモーセの律法を守る必要はない。割礼は受けなくてよい。」と決定しました。 最後に、異邦人キリスト者がユダヤ人キリスト者と交わりをするためには、最低限守るべ き約束事が求められるとヤコブは語り、異邦人キリスト者に対しても、ユダヤ人に対する配 慮と譲歩が必要であることを訴えています。 使徒たちと長老たちは、4項目(①偶像に供えて汚れたもの、②淫らな行い、③絞め殺し たもの、④血 / 使徒15:20)の避けるべきことを記した書面を異邦人キリスト者に送り、 これらを全教会に周知徹底することを決議し、会議を閉じました。 |