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主日礼拝 「いのちの大切さ」 2023年7月2日

 松下 信 牧師
申命記24章6節~15節(21:1-26:19)
 申命記24章6節から15節までの「いのちの大切さ」を教えている箇所を取り上げます。
主なる神はモーセをとおして、貧しい者、寄留者、孤児、やもめなど、弱い立場にある人々に
対する配慮が必要であることを教えています。

Ⅰ.ひき臼を質にとってはならない  
 6節をお読みします。「ひき臼、あるいはその上石を質にとってはならない。いのちそのも
のを質にとることになるからである。」 ひき臼は上下二個の円盤状の石でできています。
上石を回して小麦などの穀粒をひき砕いて粉にするために用いられました。 ひき臼は家族の
ための日ごとのパンを作るためになくてはならない家庭用品でありました。 毎朝、女の人たち
がひき臼を回して穀粒をひき、その日のパンのための粉を作りました。
ですから、ひき臼、あるいはその上石を質にとられてしまうならば(質とは品物を質屋に預け
る代わりにその品物に見合った金銭を融資してもらう制度)、家族が食べることができなくな
ります。 それで、ひき臼を質にとることは、いのちそのものを質に取ることになるからという
理由で、禁止されているのです。

Ⅱ.貧しい人から取った担保は日没前に返しなさい
 10節から13節までは以下のとおり担保についての規定が示されています。 「隣人に何か
を貸すとき、担保を取りにその家に入ってはならない。 あなたは外に立っていなければならな
い。 あなたが貸そうとするその人が、外にいるあなたのところに担保をもって出て来なければ
ならない。 もしその人が貧しい人なら、その担保を取ったままで寝てはならない。 日没のこ
ろには、その担保を必ず返さなければならない。 彼は自分の上着を着て寝て、あなたを祝福す
るであろう。 また、そのことはあなたの神、主の前であなたの義となる。」
 13節にある上着は「四角い布の上着」を指しています。 当時の人々は、夜もこれで身体を
おおって寝ました。 彼らには私たちが今用いているような布団はありませんでした。 私たち
にとって、想像できないことですが、貧しい人たちはこの上着を掛け布団代わりにしていたわ
けです。 だから貧しい人から着物を担保にとった場合は、日没までに必ずそれを返すように
指示されているのです。

Ⅲ.困窮している雇人への賃金は日没前に支払うこと
 14節、15節は困窮している雇人に対する配慮が示されています。 「貧しく困窮している
雇人は、あなたの同胞でも、あなたの地の、あなたの町囲みの中にいる寄留者でも虐げてはな
らない。 その人の賃金はその日のうちに、日没前に支払わなければならない。 彼は困窮し、
それを当てにしているのだから。 彼があなたのことを主に訴えて、あなたが罪責を負うことの
ないようにしなさい。」

【 結 論 】  
 神のかたちに造られた人間のいのちがいかに尊いものであるかを心に留めるべきです。
主イエスは貧しい者、病人、寄留者、孤児、そしてやもめに対して憐れみを示されました。
自分の意に沿わないからといって、他人の命を奪うことは間違った行為です。 幼い時から、
いのちを尊ぶ教育をとおして、隣人を愛することを身に付けるべきです。

主に愛されている者として、私たちは言葉や口先ではなく、行いと真実をもって愛するべき
 であります。

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