敗戦記念礼拝 | 「戦争と平和」 | 2008年8月10日 松下 信 牧師 |
申命記6:4−5、レビ記19:17−18 | ||
一昨日2008年8月8日(金)に、平和の祭典である北京オリンピックが開幕しました。 中国政府は国家の威信をかけてこのオリンピックを成功させようとしています。 そして同 日にグルジアで戦争が始まりました。 8日グルジア軍は、同国から分離独立を目指す親 ロシアの南オセチア自治州に進攻し、大規模な攻撃を始めました。 これに対して、ロシア 軍機がトビリシ郊外のグルジア空軍基地を爆撃するなど報復攻撃し、軍事衝突が拡大して いるそうです。 「戦争と平和」 がこの地球上に同時並行的に存在しているという現実を、私たちは認めな ければなりません。 敗戦記念礼拝において、私たちは63年前の悲惨な戦争体験の証言を 聞き、戦争はすべてを破壊するだけで、何一つ益になることはないことを学び、二度と同 じ過ちを繰り返してはならないと、心に誓いたいものであります。 また、クリスチャンは、 戦争に反対するだけではなく、平和をつくりだす者とならなければなりません。 さて、申命記6:4-5のみことばは「神を愛しなさい」と教え、レビ記19:17-18のみことば は 「あなたの隣人を愛しなさい」 と教えています。人間は、愛されなければ愛することは できない存在です。まず、神に愛され、両親に愛されて、自分自身を愛することができる ようになるのです。そして自分自身を愛することができるようになった者は、隣人を愛する ことができるようになるのです。 私たちは自分自身を愛することから始めなければなりません。 自分自身を受け入れ、自分 自身を認めることで、私たちは他の人にも目を向ける余裕が生じてきます。次に家族や兄姉 を愛し、平和な家庭や教会を築くことに努めます。 さらに、職場や学校や地域の未信者 の方々を愛することが求められます。 私たちは誠実に生きることで、キリストの福音を証 しすることができるのです。 私たちクリスチャンが、神を愛し隣人を愛することは、取りも直さず、世界に平和がもたら されてゆくこととなるのであります。草の根運動のような働きは、地味であり遅々たる歩み ではありますが、本当の意味で世界を変えてゆくことができる着実な働きなのです。 【 結 論 】 ドイツの 「百塔の都」 と謳われたドレスデンは、第二次世界大戦の末期に、空襲によって 一夜にして廃墟と化しました。一夜にして瓦礫と化したフラウエン(聖母)教会は、戦後11 年かけて再建されました。 教会を愛する人々の心が一つになってもたらされた平和の象徴 である教会堂の建設でした。このフラウエン教会の再建と同じように、戦争は一夜にして破 壊しますが、平和は一夜にしてつくり上げることは、不可能なことです。 この時代、人間関係が希薄になりつつありますが、私たちは 「互いに知る」 ということを もっと求めてゆく必要があるように思います。 人を知ることによって、私たちの心の中に は愛が育まれ、互いに支えあってゆくことができるようになるのではないでしょうか。 私たちは、神を愛し、人を愛することを通して、平和をつくりだす働きを担わせていただき たいものです。 「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」(ローマ12:15) |